季節がめぐるように、私たちの人生の季節もまためぐります。
今、頑張ったら素晴らしい将来があると思っていた10代。
いつも遠くをみていた20代。
「好き」を仕事にし、「好き」を仕事にしないほうがいいと思った30代。
そして、「自分の人生で今がいちばん楽しい!」と思う40代。
今、私は40代最後の1年を過ごしています。
2000年-30歳の誕生日に独立した私は、来年独立20周年を迎えます。

勢いと自惚れだけで独立した私は、「好き」なだけでは「始めること」はできても「続けること」は難しいということを体験しました。また、自分が好きなことならどれだけでも頑張れる、耐えられる、乗り越えられる、というのも錯覚だということに気づきます。好きな仕事をすればするほど、本質的なところでの悩み、迷い、チャレンジはとてつもなく大きいです。

「本当の私は違う」
20代半ば、いつもそんな風に思っていました。けれど、そう思っていたあの当時でさえ、それは「本当の私」だったに違いありません。ここではないどこかに、本当の自分(の人生)があると思って焦っていたあの頃。「今」を否定しながら遠くの何かを追い続けていたあの頃。自分を変えなければ、理想の未来は手に入らないと思い込んでいたあの頃。かつての自分に何か声をかけることができるのなら、「自分の質を活かしてこそ、自分の人生を受け入れてこそ、自分の人生が輝き始める」と伝えたい。

命理学(四柱推命)でいう「幸せ」とは「命式の自然さを生きること」だと言われます。命式の自然さを生きるとは、つまり「らしさ」です。今ではないいつか、ここではないどこか、自分ではない誰か、ではなく今を生きる、ここを生きる、自分を生きる。

No Where, Now here.

自分を見失い、自分の道がわからなくなったときこそ、今、ここ、自分を生きる。「自分の命式の自然さを生きる」。

「私は誰か?」という問いかけをした瞬間のデータが、生年月日時と言われます。それは肺呼吸をし「個」が誕生した瞬間です。「私」という旅の始まりです。そこから導き出される「命の方程式」=「命式」は、今を、ここを、自分を生きる心地よさを教えてくれるのではないかと思います。

けれどもそれが「ゴール」ではありません。むしろそれは、自分らしさを生きるという「スタート地点」に立ったにすぎません。では、その、「自分らしさを生きる」の先にあるものとは何でしょうか?
まさに、それが「統合」のプロセスです。人間のことを「human」、つまり「hue(色)」の「man(人)」と言いますが、「私たちはすべての色を持っている」と言われるように、めぐる季節の中で、私たちはすべての五行を体験します。それは、私たちが分離したものを取り戻す、自分を思い出す作業、大いなるものに還る旅に他ならないのではないかと思います。

「あの瞬間を思い出す」
私たちは生まれた瞬間から、この旅を始めています。

Ever changing, Never changing.
変わりゆくもの 変わらないもの

めぐる季節のなかで、私たちはどのように「今」を生きるのか。
「五行」を通して、そのお手伝いができたらいいなと思っています。

五行コンダクター 木村応子

 

五行とは

「五行は、なぜ三行でも七行でもなく五行なのか」
「五行は、元素ではない」
命理学(四柱推命)を学び始めてから、私の今までの「五行」に対する理解が変わりました。「昔から<五行>って決まっているから<五行>なんです」などともっともらしい説明をされたら、私は五行の学びをすぐにやめていたでしょう。

<五行>を、「四元素」のように「五元素」だと思っていませんか。私はずっとそう思っていました。
が、<五行>の「行」は「めぐる・運行する」の意味で、つまり<五行>は「5つのめぐるもの」です。多く見かける「万物は木・火・土・金・水という5つの元素からできている」という表記は正しくありません。五行の成り立ちを学ぶと、<五行>は「element(元素)」ではなく「phase(相)」であるということを理解できます。
自分の人生は「流れ」ができているのか。流れを阻むものは何なのか。何をすると流れがよくなるのか。いつそれはできるのか。この「Phase」という感覚を理解したとき、人生にとってどれだけ「流れ=五行」が重要なのかを実感するのではないかなと思います。